UMB2011 GRAND CHAMPIONSHIP R-指定 vs DOTAMA 解説
GWももうすぐ終わりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
私はというと、お酒を飲んだり仕事をしたりお酒を飲んだりスラムダンクを読んだりお酒を飲んだりお酒を飲んだりして過ごしていました。
あとお酒を飲んだりもしました。
UMB2011 R-指定 vs DOTAMA
(R-指定)
HIDADDYみたいに果てるまで蹴る
東京に2回も負けるわけねぇ
ハナからスベってんじゃねえの?
スーツ姿で捨ててんじゃねえよ
マイク1本 ゲットマネーの精神で
ぶっ殺すこのレッドカーペット芸人
お前は揚げ足取りだけ上手い
スキルじゃ勝てないのに
HIDADDYは大阪のHIPHOPクルー「韻踏合組合」のMCでMCバトル界ではレジェンド的な存在の1人です。
R-指定は既にこの頃から大阪のバトルシーンで頭角を現しており、UMB全国大会でも善戦することが期待されていました。
しかし1年前のUMB2010では1回戦で晋平太に負けまさかの初戦敗退となり、東京代表に苦汁を嘗めさせられることとなりました。
そしてこのUMB2011で奇しくも東京代表のDOTAMAと初戦で対戦することとなったので、相当息巻いてますね。
DOTAMAのトレードマークであるスーツ姿や、ギャグラップスタイルを的確にディスっていてかなり上手いです。
(DOTAMA)
KING of DISの君が揚げ足取りをディスる?
意味が分からない
DISは揚げ足取りから始まると
良い子に言ったらこう小っちゃい子は
悪い子にしてしまうから俺は言わない
でも教育上良くないラップするのが俺の役目
MC DOTAMA R-指定くん
でも同じRだったらランバ・ラルの方が俺は好き
ヒートロッドで君を絡めて大阪までぶん投げる
そしてHIDADDYの元でもう1回修行し直してきなさい
「KING of DIS」ってのは当時のR-指定の二つ名ですね。Rが言った「揚げ足取り」を揚げ足取りで返していて最高です。
「ランバ・ラル」とか「ヒートロッド」はガンダムに出てくる人だったり物だったりしますが、DOTAMAはアニメや映画に造詣が深いのでコアな用語が出てきがちです。
らしさ全開のコアな話を絡めつつRが言った「HIDADDY」をきっちり回収してくるあたりは素晴らしいです。
個人的には最近のちょいちょい韻を踏んでくるスタイルより、この頃の完全即興でボコボコに悪口言う感じのスタイルのDOTAMAの方が好きです。
(R-指定)
教育上悪いラップだったら
"R-指定"の方ができるに決まってんだろ
悪いがな お喋りしに来てるわけじゃねえんだ
ちゃんとラップしてから話せ
とりあえずこうやってリズムキープしろ
じゃなきゃ痛いぜ なぁ 傷口に塩
今日はスキルも気圧も西高東低
また来年来いよ誰かのセコンドで
「教育上悪いラップ」をすかさず拾って「"R-指定"の方ができる」ってのは返しとして100点満点ですね。
最近じゃどのバトルMCも韻のレベルが上がってきていますが、「リズムキープしろ」と「傷口に塩」で踏んだのとか当時は衝撃でした。
あと個人的に「スキルも気圧も西高東低」はこのバトルでR-指定の1番のパンチラインですね(R-指定が大阪代表、DOTAMAが東京代表であることから)。ネタだったとしても鳥肌モノです。
(DOTAMA)
俺が歴史の人物
西高東低を塗り替えるのはこの年の俺しかいない
そんなノリでやってるぜ
R-指定くん 確かに18禁
でも俺はもっと良いラップをしたいから
公務員みたいな見た目でも
こうやって展開していく
そしてRくん もっと元気になりなさい
そんなEXILEの2軍みたいな見た目じゃダメだよ
ニューヨーク行ったってPremierから
100万でビートは貰えないよ?
「西高東低〜セコンドで」のパンチラインを小節のケツで綺麗に落とされたにもかかわらずさら〜っと流してしまえるっていうのがすごい。
「スーツ姿」と言われた見た目の話にもしっかり触れていますね。
そんでDOTAMAがこの勝負に勝った1番の理由であろう「EXILEの2軍」というディス。ロン毛、髭面、無骨な服装っていうR-指定に対して、このディスがもう言い得て妙すぎて、刺さりまくり、見事DOTAMAの勝利です。