AKLO『RGTO(Remix)feat. ZORN』が本当にアンパンチだった。

 

 

髪を切ったら金正男と言われましたが、今日も強く生きていきます。

 

さて、今回はAKLOの『RGTO(Remix)feat. ZORN』について解説していきます。

 

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ZORNといえば客演

 

ZORNの魅力の1つに、「客演の時のヤバさ」があります。

 

AKLO+NORIKIYO『百千万(Remix)feat. 般若&ZORN

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JAZEE MINOR『"100(Remix)" feat. ISH-ONE,ZORN,MARIA(SIMI LAB)&Staxx T(CREAM)

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KEN THE 390『Make Some Noise feat. ZORN,NORIKIYO』

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数年前から客演に呼ばれては、主役を食っちゃうくらいイケてるVerseをKickしていくんですね。

 

客演って結構難しいと思うんですよ。その曲を主体で出すアーティストがいて、そのアーティストの方針があって、その上で呼ばれているので、表現にある程度制限がかかるというか、自分のやりたい事を純度100%で表現しにくいんじゃないかなぁと。

 

けどZORNはいつもそんな心配を杞憂に終わらせてくれます。客演の曲が出るたび出るたびかっこいい。「○○小節の1バースだけ」っていう縛りがあるにもかかわらず、きっちり決めてくれる。仕事人ですね。代打の神様っぽい。肉じゃがの玉ねぎみたいな感じ。肉とじゃがいも食うつもりで食ってるんだけど、気付いたら玉ねぎめっちゃ食ってるみたいな。なんなら玉ねぎを食うことに躍起になってる自分がいることに気付いてしまうみたいな。「もうこれ肉じゃがというより玉じゃがなんじゃないの」みたいな。「玉ねぎの肉とじゃがいも添えなんじゃないの」みたいな。そんなのは私だけです。ありがとうございます。

 

『RGTO』はオリジナルがまずかっこいい

 

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AKLOの『RGTO』ですが、オリジナルは客演にSALUとKダブシャインを迎えています。

 

SALUは厚木に所縁のあるラッパーですので勿論大好きですし、Kダブは言わずもがなJ-HIPHOP界のレジェンドですね。ZEEBRADJ OASISと共にキングギドラというグループで、J-HIPHOP界の黎明期を支えてきた最重要人物の1人です。

 

この曲は1問1答形式のような、インタビューのような感じで曲が進んでいきます。

AKLOのVerseを一部だけ引用します。

 

「DopeなBeats?」 I got it.

「HotなVerse?」 Like タイカレー

「SmoothなFlow?」 Like 外タレ

何か足りないものは他に無いかね?

へっ?「恋愛?」 経験豊富

はっ?「ファッション?」 完全超Cool

「武勇伝?」 ご存知サバイブしたメキシコシティ育ち

「ユーモア?」 滑らんなぁ

「リズム?」 刻む Like 電撃チョモランマ

ひたすら「Props」広げる国内外

「韻の固さ」も所謂トップライマー

 

とまぁこんな感じで、インタビューに答えていくようにして、自分の事を歌っていくような流れになっています。なんとまぁオシャレなこと。

 

そんでもって、Remixですから当然ZORNのVerseもそれに倣っています。

そして何を隠そうこの曲のZORNは、「Verseがアンパンチ」という平成の時代を代表するパンチラインを残しています。

 

皆さんの頭の中には、1つの疑問が浮かび上がっていることと思います。

 

「本当にアンパンチなの?」

 

その疑問を解消すべく、早速リリックを見ていきましょう。

 

Verseがアンパンチなのか検証 ーリリック解説

 

HIPHOPシーンの今?」〔ioioia〕

人と凌ぎ合う〔iooioia〕前に鏡を見な

自分自身とインファイト〔ioia〕

「地元?」新小岩〔iooioia〕

「仕事?」日照時間〔iooioia〕

「歳は?」三十路前〔ioia〕

「服は?」白いシャ〔ioia〕ツ着て

等身大〔ouiai〕 表裏一体〔ouiai〕

貧乏人だけ〔ioiae〕

落とさないようにしてきた貴重品だけ〔ioiae〕

Rap Game Try Out これ陣取合戦〔ioiae〕

当然命懸け〔ioiae〕 飲めリポビタンD〔ioiae〕

「しんどいかって?」〔ioiae〕 ただ気楽にいく〔aaiauiu〕

「満足?」 一生いらねぇ〔ioiae〕 まだ下積み中〔aaiauiu〕

「MCバトル?」 Disよりディズニーランド〔iuiao〕

でもセーフティバーも〔uiao〕ない人生 

リスキーなもん〔iuiao〕

初心忘れるべからず 座右の銘」〔auoe〕

「お家のローン?」もちろん35年〔auoe〕

「借りた借り?」〔aiaai〕 必ず倍返し〔aiaei〕

バイバイキン〔aiaii〕 Verseがアンパンチ〔anani〕

 

相変わらずボキャブラリーがすごい。韻踏んでない部分の方が少ないという衝撃。

 

HIPHOPシーンの今?」のあたりは、昨今のバトルブームについて言及している感じがありますかね。「MCバトルで人と戦ってばかりじゃなくて、もっと自分を見つめて自分と戦うとか、やること他にあるだろ。」みたいに受け取れます。

 

HIPHOPシーンの今?」〔ioioia〕からずーっと踏み続けて、「白いシャ〔ioia〕ツ着て」で踏み所を変えてきてからの、等身大〔ouiai〕→表裏一体〔ouiai〕がかっこよすぎる。

 

「貧乏人だけど〜貴重品だけ〜陣取合戦〜命懸け〜リポビタンD〜しんどいかって?〜一生いらねぇ〔ioiae〕」の流れとかもう聞いてて鳥肌立つ。「えっ、ちょ、どこまで踏む、え、まだ来る、ちょ、ちょ待っ、えっ」てなる。

 

あと、個人的に1番食らったのが、

 

「貧乏人だけど落とさないようにしてきた貴重品だけ」

 

ってめちゃくちゃパンチラインじゃないですか?かっこよすぎる。家族とか仲間を大事にしているZORNだからこそ、刺さるパンチラインになってるし。えとうはこれを座右の銘にして生きていきたい。

 

ほんで「バイバイキン Verseがアンパンチ」で締め。この締めはZORNにしかできなさそう。このラスト4小節だけで、二児の父であるってこともしっかり入れ込んできているんですね。もうウマすぎる。

 

結論、Verse全体がアンパンチだった。

 

全体通して文字起こしをしてみましたが、改めてZORNの凄さに驚かされます。ZORNのVerse全てがアンパンチであるという事が分かりました。いやはや参りました。

 

バイバイキン。