ZORN『Rep (Remix) feat. NORIKIYO』が芸術すぎる。

 

 

先日、ZORNの『Rep feat. MACCHO』が大変なことになってる記事を書きましたが、

 

fukayu-raplog.hatenablog.com

 

これのRemixである『Rep (Remix) feat. NORIKIYO』が更にとんでもない事になっています。

 

www.youtube.com

 

稀代のリリシスト NORIKIYO

 

NORIKIYOといえば、相模原をレペゼンするラッパーです。神奈川出身者として私は漏れなく大好きです。大好物です。一本筋が通っていて、リリックがいちいちかっこいいんですよね。

 

NORIKIYOといえば、とあるイベントでのZEEBRAの態度を受けて、「GO HOME」という痛烈なdis曲を出している事が有名ですね。もちろん、世代的にNORIKIYOがZEEBRAをリスペクトしていないワケがないんですよ。がっつり影響を受けている世代だと思いますし。むしろリスペクトしているからこそ、「あんたには常にイケててもらわなきゃ困るぜ、しっかり頼むよ」っていう気持ちから生まれたdis曲です。

 

ちなみにZEEBRAはこのdisを受けて、Twitterで「NORIKIYOの言う通りだねごめんねごめんね〜」

 

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 と呟くのみだった為、余計にNORIKIYOはブチギレています。ラッパー同士のdisは、ラッパーであるが故に音源でやり合うのが正義であるという通説がありますし、私もそう思います。それを曲でアンサーせずにツイートだけで済ませちゃうもんだから、そりゃあ怒りますよね。あのガンジーでも助走つけてぶん殴ります。一応ZEEBRAは「次のアルバムでアンサー返しまーす」とはツイートしているので、アンサー返す気がないわけではない感じもしますが、最近は専ら裏方に回っており、「アルバムなんて本当に出すんか?」と個人的には思っていますけど、、、。

 

兎にも角にもNORIKIYOは、筋の通らない事は相手が誰であろうと徹底して認めない、っていうスタンスを貫いており、それでいて音源がしっかりかっこいい「スーパーイケイケクールMC」です。

 

 

相模原のMC NORIKIYOのRep ーリリック解説

 

(※hook 1)

街を歌い地元をRep〔ioooe〕

どこからでも火を起こせる〔ioooe〕

仲間たちはWeedとコケイン〔ioooe〕

俺はいらねぇBeatよこせ〔ioooe〕

Represent Represent Represent Represent

Represent Represent Represent Represent

街を歌い地元をRep〔ioooe〕

できないラッパー死亡届〔ioooe〕

 

(NORIKIYO)

職業不詳のツレとたまる近所〔auio〕

真面目にやるとか無理だろRackしよう〔auio〕

0時過ぎは巡回あるからパスしよう〔auio〕

腹にスプレー缶隠し持〔auio〕ってしてたドロケイ

バックシート〔auio〕Stashした〔auia〕

パケと鼻の中は真っ白〔aio〕

そんな私の〔auio〕過去を3,4行〔anio〕

Flowすりゃ今は金になっちゃう作詞業〔auio〕

 

はい、かっこいい。(かっこいい)

 

〔auio〕で終始踏んでます。「隠し持って」のところで踏み所を外してくるあたりのセンスが大迫くらいハンパじゃない。

 

「ドロケイ」って地域によって名称が変わりますよね。「ケイドロ」だったりしますよね。そういう、地域によって呼び方が異なるようなローカル性の高いワードを敢えて入れているあたりも、『Rep』という曲だからこそであって、めちゃめちゃかっこいいわけです。

 

ラクガキとか違法ドラッグとかやってたけど、そんな過去の話ですら、3,4行分くらいパパッとBeatに乗せるだけで稼げちゃうアーティストになったぜ」ってことです。うん。たまらん。

 

最初はしょうがねぇ 真似事 形から〔aaiaa〕

まぁ良いんじゃねぇ? お前がもし二十歳なら〔aaiaa〕

But そういう奴をこう言うんだよ「ダサいラッパー」〔aaiaa〕

にはそろそろ飽きちゃったろ 待たしたな〔aaiaa〕

まさか隠すなよ パケは股下にゃ〔aaiaa〕

ポリも馬鹿じゃねぇ知ってんぜ探し方aaiaa〕

バレりゃ高樹沙耶〔aaiaa〕みたく犯罪者だ〔aaiaa〕

今夜も赤燈が通る相模原〔aaiaa〕

 

 

(※hook 2)

街を歌い地元をRep〔ioooe〕

どこからでも火を起こせる〔ioooe〕

昔はしてたリアルドロケイ〔iauooe〕

ツレのTagを見るいたるトコで〔iauooe〕

Represent Represent Represent Represent

Represent Represent Represent Represent

街を歌い地元をRep〔ioooe〕

できないラッパー死亡届〔ioooe〕

 

ここ、もう激アツ中の激アツです。

 

「形から」が来た瞬間に「「相模原」がくる!必ず来る!アイツはこの状況で来ないなんてヤワな奴じゃねぇ!どこだ!どこで来る!」ってなりますよね、もちろん。

 

NORIKIYOが地元を誇る『Rep』にリリックを乗せるわけですから、当然来るだろう、と。しかし、NORIKIYOさんは生粋のドSなので、焦らして焦らしてhook直前の一番アガる所に持ってきます。

 

このヘッズ泣かせ!天才!変態!

 

これ、LIVEだったらこのhook前マジでアガるんだろうなっていうのが容易に想像できます。

 

言わずもがなですが、意味を通しながら〔aaiaa〕で終始踏み続けるっていうだけでもかなりのスキルです。 

 

そしてこのhookですよ。原曲と韻を若干変えてきているのがなんともオシャレ。これぞRemix!そのままhook歌うのももちろんありなんですけど、せっかくRemixするからには、原曲へのリスペクトを込めつつオリジナリティも発揮してほしいですが、見事に叶えてくれました。完璧です。星5つです。

 

このhookでの「リアルドロケイ」によって、1verse目の「ドロケイ」って遊びじゃなくてやっぱりガチだったんですね、、、!という事に気付かされて、また1verse目が聞きたくなる、という無限ループ地獄を生み出しています。

 

税関突破5,000錠持ってきたMDMA〔euiee〕

もらったギャラ2週間で全部消えて〔euiee〕

”AREA AREA"かけ寝る家で〔euiee〕

こう思った「俺もここからやったろう」ってな

Beatも自分でさ作っては作詞〔aaui〕

相な暮らしでも楊枝は高くし〔aaui〕

い訳の類と愚痴は吐かずに〔aaui〕

ーンの流行りじゃねぇ色褪せねぇ〔aui〕

囚われたまま憧れに〔aoaei〕

自分の道はてめぇで I gonna make it〔aoaei〕

入りゃしねぇんだよもう雑魚は目にaoaei〕

2度と俺〔ioooe〕は誰にも雇われaoae〕ねぇ

米軍キャンプ以外見所ねぇ〔ioooe〕

SDPが居る 見ろその目ioooe〕

10年経ってみりゃ見事これ〔ioooe〕

入りきらねぇ ほら見ろよウォレット 〔ioooe〕

 

"AREA AREA"は言わずもがなMACCHO(OZROSAURUS)の代表曲で、「潮の吹く港から俺もやったろう」というリリックをここでサンプリングしています。テクい。

 

更には、MACCHOの武器であるアクセントでリズムを作る手法を使う事でも、MACCHOへのリスペクトを表現しています。

(「Beat」→「相」→「い訳」→「ーン」→「作」)

ズルイよNORIKIYO先生。 

 

その後の〔aoaei〕から〔ioooe〕への韻の移り変わりのまぁなんとオシャレなこと。

 

 

『Rep (Remix) feat. NORIKIYO』は芸術だった

 

いかがでしたでしょうか。もうこれは芸術だと思っています。原曲へのリスペクトとオリジナリティを、やりすぎでもなく嫌らしくもなくクールに伝えきっていて、更にはリリックは当然イケてる、フローも100点満点ときたら、芸術と呼ばずして何と呼びましょう。

 

芸術といえば、バンクシー展行きたいと思っていたところです。横浜と大阪でやるみたいなので、どっちも制覇してやろうと思います。